なぜ生きるのか、ではなく、なぜ死なないのか?

うつになる前と、なった後、比較してみると分かることがある。
正直、何も変わっていない。

鬱になる前にあった問題が表面化し、対処できなくなって鬱になる。今、鬱から良くなったとしても、この問題は変わらない。鬱から完全に立ち直るためには、この問題を解決しなければならないけど、挑戦していくことが怖い。

したがって、人生を一から考え直すことになる。もっとも、根本的な問いで、なぜ生きるのかが分からなければ、この問題を避けるべきか、克服すべきかが決定できない。
また、なぜ生きるのかが分かれば、その目的に沿って人生を立て直すことができる。

しかし、なぜ生きるのか、なんて問いに答えなんて出ることはない。なぜなら、何も考えなくても生きているから、そんなもの考える必要はない。人生に生きがいを感じている人しか、そんな答えは出せないだろう。
そうすると、別のアプローチが必要になる。なぜ生きるのかではなく、反対に、なぜ死なないのかを考えればよい。

なぜ死なないのか、これは、いつでも自殺すれば死ねる。人生を終わらせることができる。でも、なぜか自殺しないで生きている。
じゃあ、どうして生きているの?いつでも、死ねるのに……

そう考えると、答えは簡単だった。ただ単純に自分の可能性が捨てられないからだ。家に引きこもって、一日中寝たきりでも、どんなにつらくても生きている。死にたいのに生きている。

結局は、死ぬのがもったいなかっただけ、自分の力を使えばいろいろなことができるのに、死んでしまうのがもったいない。それだけ、気づいた。